この記事では、エアコンを冷房に設定したはずなのに、暖かい温風が出てきてしまう場合の原因と対処法について解説をしています。
エアコン修理や取り付けを実際に行っている事業者が解説します。
今回対象にしているのは、ぬるかったり、風だけ出てくる送風状態のことではありません。
『暖房の様な暖かい風が出てくる状態』についてが対象となります。
※もし、ぬるい、効きが悪いという状態の場合はエアコンが冷えない、ぬるい、効きが悪い原因8選と修理方法をご覧ください。
なぜ、冷房にしているのに暖かい風が出てくるの?
実は、冷房と暖房を切り替える部品が原因
冷房にしているのに暖房のような風が出てくる場合、原因として考えられるのは、四方弁(ガスの流れを切り替える部品)か、電磁コイル(四方弁を動かす部品)のどちらかの故障です。
温かい風が出てくるのはなぜ?
現在のエアコンと呼んでいる家電は、ほぼ『冷房』と『暖房』の両方の機能がついています。
そして、切り替えをする時はエアコンの中にある部品で切り替えを行っています。
少し具体的に言うと、エアコンの中に流れているガスの流れを切り替えています。
上の画像の様に、ガスが流れる事で温度を入れ替えているのがエアコンの仕組です。(青色が冷たく赤色が暖かい)
正しいエアコンの動き
冷房の時:部屋の中に冷たい風が出て、室外機からは暖かい風が出る
暖房の時:部屋の中に暖かい風が出て、室外機からは冷たい風が出る
冷房から暖房に切り替えると、このガスの流れが逆向きになります。
そして、その切り替えを行っているのが四方弁と電磁コイルという部品です。
※四方弁とは:ガスが流れを切り替えている部品
※電磁コイルとは:四方弁を開閉している部品
温かい風が出てくる理由
四方弁が固まってしまってガスの向きが切り替わらない
or
四方弁を開閉する電磁コイルが機能していない
冬に暖房を使った状態で固まって戻らなくなっている
すぐ来て欲しい場合のおすすめ業者
対処法
それではこれから対処法について解説をしていきます。
状況によって根本的な解決と応急処置の2パターンがあります。
部品交換で根本的な解決
まずは問題のある部品を交換して根本的な解決をする方法についてです。
これについて一番の選択肢は『製造しているメーカーに問い合わせる』です。
その理由は、メーカーは自社製品のなので部品も豊富なのが一つ、もう一つは保証が効く場合がある為です。
メーカーによって異なりますが、冷媒回路といってガスが流れる回路に関しては、5年間の保証があります。
四方弁は修理する場合高額となりがちなので、保証が効くかどうかは重要なポイントです。
修理費用
電磁コイルの交換:1~3万円
四方弁の交換:5~10数万円
※溶接が必要な高度な作業の為作業費が高額になる
電磁コイルであればまだ許容範囲ですが、四方弁の場合は買い替えを検討するレベルです。
対処法
- 保証書を見て、まだ保証が効くか確認する
- まずは点検を依頼する
- 修理を行うか、高額な場合は買い替えをする
応急処置
次は応急処置についてです。
応急処置がなぜ必要かというと、下記の様なパターンがあるからです。
- メーカーに修理を頼んだが、かなり先になる
- 真夏なので一刻も早く冷房を出したい
この様な時に出来る選択肢として、『部品を交換せずに対処する』という方法があります。
例えば、
- 電磁コイルの故障の場合は、磁石などを使って手動で四方弁を切り替える。
- 四方弁の固着の場合は、四方弁に衝撃を与えて動かす。
などがあります。
とはいえ、あくまで応急処置なのと、その作業自体も修理業者に頼む必要があります。
ただし、こちらはエアコンについて知識のある修理業者であれば、メーカーでなくても対応ができるので、すぐ来てくれる修理業者が見つかればまずは冷たい風を出したいという時にはありの選択肢です。
修理費用
点検、応急処置:1~2万円
ただし、固着が上手く取れなかったり、直らない場合もあります。
対処法
- 一般の修理業者に症状を説明して対応できるか確認する
修理の依頼についてはエアコン故障を修理業者に依頼するおすすめの方法で解説をしています。
エアコン買い替えを検討する
修理があまりにも高額になる場合は、買い替えを検討するのも一つの手です。
買い替えについてはネットで取り付け業者を探して、本体は自分で通販で買うのが、一番早くて安くなる可能性があります。
取り付けの依頼に関しては【エアコン買い替え】業者に取り付け依頼をするおすすめの方法の記事で詳細を解説しています。
まとめ
今回はエアコンを冷房にしても暖かい風が出てくる原因と対処法について解説をしました。
四方弁の故障の場合は費用が高額になるので保証が効くかどうかはポイントになります。
エアコンのトラブル全般に関してはこちらをご覧ください