この記事では、エアコンの冷えない、ぬるい、効きが悪い(温まらない)などの症状について、その原因と修理方法について解説をしています。
エアコンから急に冷たい風や温かい風が出なくなってしまったら。。とても困りますよね。
暑くなってエアコン動かしてみたら効かない、あれ冷えない?というパターン
※冷えない、効かないとは違うエアコンのトラブル全般に関しては【完全解説】エアコンが故障した時の原因・費用・修理方法まとめでまとめています。
筆者はエアコン修理、取り付けを実際に行っている事業者です。ここでは知りうる事をなるべく詳細に解説しました。
【原因を診断】エアコンが冷えない原因を見つける
最初に下の質問フォームに質問に答えると、大体の原因がわかる様になっているのでまず初めにお試しください。
- Q1
- リモコンの「冷房」「暖房」は正しく選択していますか?
診断結果を参考に、該当する項目を見てもらえば、どこが壊れたのか、どうやって修理するのかがわかります。
本文内でその原因と修理法、対処法について解説をしていきますので、ご覧ください。
エアコンが冷えない・ぬるい・効きが悪い原因8選
エアコンが効かなくなる原因として考えられるのは主に下記の8点です。
自分で修理、対処できる物に関しては、【DIY可】としています。
- 【DIY可】操作ミス
- 【DIY可】フィルター、内部の汚れ
- 【DIY可】周辺の障害物
- 【DIY可】一時的なエラー
- 冷媒ガス漏れ
- 冷媒回路の故障
- サーミスタ(温度センサー)の故障
- 電子基板の故障
なぜエアコンが効かなくなってしまったのか?各項目で順番に解説していきますので、当てはまりそうな項目をチェックしてみましょう。
効きが悪い原因その①:操作ミス
まず最初にチェックしたいのは、エアコンの設定ミスです。
具体的には、冷房をかけようとしたのに「暖房」モードになってるという事です。
そんな事あるか?と思いきや、意外とあります。
※実際に修理で訪問した先で経験があります
温度設定ばかりに気を取られ、例えば20度に設定をしたけど、冬に使った暖房モードのままだったりが考えられます。
チェックポイント
・リモコンの運転モードが「冷房」「暖房」など、使いたいモードになっているか
・「自動」で使う場合は温度設定が適切になっているか
- 修理方法・対処方法
- 【DIY可】正しいモードを選択する(故障ではない)
効きが悪い原因その②:フィルター、内部の汚れ
エアコンのフィルターや内部が汚れてしまっている場合はそれが原因でも効きが悪くなります。
汚れる箇所は主に下記の3点がありますので順番に解説していきます。
エアコンフィルターの汚れ
エアコンのカバーを開けるとすぐ見えるフィルターです。
エアコンは空気を循環させているので、内部にホコリが溜まらない様にフィルターがついています。
説明書にも書いてある通り一定の期間でホコリが溜まってくるので、外して洗う必要があるのですが、それを忘れてしまうと汚れ、ホコリがたまります。
特にリビングやキッチンの近くだとホコリや料理の油を吸い込むので汚れるペースが早いです。
ホコリが溜まると、エアコンが空気を取り込めなくなり、それが原因でエアコンの効きが悪くなってしまいます。
チェックポイント
・フィルターは定期的に掃除しているか
・エアコンのフタを開けてみてフィルターが詰まっていないか
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】フィルターを掃除する
・【DIY可】定期的に掃除を行う
熱交換器、アルミフィンの汚れ
次に汚れをチェックしたいのが熱交換器です。これは上で説明したフィルターの奥にある部品です。
写真の様にアルミ金属製の細かい隙間があいた部品で、エアコンはここを冷たくなったり暖かくさせて、隙間に風を通す事で冷たい風や温かい風を作っています。
温度に直結するとても大事な部分です
なので、フィルターを通り抜けたホコリやカビがここに詰まってしまうと、風の通り道が無くなりそれが原因でエアコンが効かなくなってしまいます。
また、熱交換器は室外機の方にもあるのでそちらもチェックしましょう。
室外機にはフィルターが無い事から、元々室内ほど汚れは溜まりにくいです。
ただし風が強かったり土ぼこりが舞う悪条件だと詰まっているかもです。
チェックポイント
・フィルターを外した時、奥の熱交換器は汚れや詰まりはないか
・室外機の熱交換器(横や後から見えるアルミフィン)は詰まっていないか
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】熱交換器を掃除してきれいにする
自分でやる方法として、表面に付いているホコリだけであれば歯ブラシなどで落とせます。
強く押すと簡単にへこむので、目にそって優しく洗いましょう。
もし奥にも詰まっていそうであればブラシでは落ちないので、エアコンクリーニング業者を頼んだ方が良いです。
費用目安:1万円前後(お掃除機能なしの場合)
または、業者並みのレベルは難しいですが市販の洗浄スプレーも一つの手です。
※業務用の洗浄スプレーという物も売られているので、自分でやるのであればそのスプレーの方が効果がありそうです。
シロッコファンの汚れ
シロッコファンの汚れがたまっているとエアコンの効きが悪くなる事があります。
エアコンを動かしている時に下から覗くとクルクル回転しているのが見えたらそれがシロッコファンです。
シロッコファンとは、エアコンの下の部分にある風を送り出す部品です。
写真でも見える様に、たくさんの板の様なものがありますが、これ一枚一枚羽根の役割になっています。
このシロッコファンの隙間にホコリが詰まると羽根が風を送れなくなり風が弱くなってしまいます。
チェックポイント
・シロッコファンを覗いてみて、詰まりが無いか(軽く乗っている程度ならOK)
・風にムラがないか(右端だけ風が弱いなど)
・風の音がバサバサと一定のリズムでない
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】シロッコファンを掃除してきれいにする
自分でやるのであれば割りばしにキッチンペーパーなどを細く巻き付けて掃除が可能です。
※またはやりやすい専用のブラシも市販されているので、それを使うか、スプレーで洗浄する。
熱交換器と同じく落ちない場合やしっかり奇麗にしたい場合はエアコンクリーニング業者を頼んだ方が良いです。
エアコンクリーニング費用目安:1万円前後(お掃除機能なしの場合)
効きが悪い原因その③:室外機周辺の障害物
室外機周辺に障害物がある場合も注意です。
室外機の風通しが悪くなると温度の入れ替えが出来なくなってしまうので、それが原因でエアコンが効かなくなってしまいます。
室外機の前後に物を置いて塞いだりしない様にしましょう。
ほかにも室外機の周りに雑草が生えてくると室外機のファンに絡んで止めてしまう事があるので、確認しましょう。
またうっかりやりがちなのが、市販されている室外機をすっぽり覆うタイプのカバーを外さずにエアコンをつけてしまうミスです。
これも、修理で伺った先で実際に経験があります。
これをやってしまうと全く風が流れないので、最悪エアコンが完全に故障してしまいます。
大半は先に保護回路が働き途中でエラー停止しますが、エラーをリセットするまで使用が出来なくなってしまいます。
個人的に、室外機のカバーはおすすめしません。誤ってそのまま動かしたら故障のリスクがある為です。
チェックポイント
・室外機の前後をふさぐ物が置いていないか
・室外機の周辺に雑草が増えていないか
・室外機のカバーをつけたまま動かしていないか
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】室外機の周辺の物をどかす
・【DIY可】室外機の周辺の雑草を取る
・【DIY可】室外機のカバーを取って動かす
※もしエラーで止まってしまっている場合は、次の項目を参考にリセットする。
効きが悪い原因その④:一時的なエラー
エアコンは電気で動く家電です。そしてその動きは電子基板によって電子制御されています。
電子制御では一時的にエラーが発生する事があり、それが原因でエアコンが動かない事があります。
それは、故障を防ぐ保護目的であったり、火事や漏電を防ぐ為、もしくは故障した事をお知らせする為などいくつか目的があります。
すでに故障してしまっている場合は別ですが、上で説明した室外機の風をさえぎってしまったパターンの様に、エアコンが故障する前に保護回路が働いてストップしている場合があります。
この場合は、その原因を取り除いた上でエラーを解除すればまたエアコンは正常に動作します。
エラーコードについて
エアコンにエラーが起きると、リモコンなどにエラーコードというどこが原因か知らせるコードが表示されます。
これを参考にすればある程度あたりをつけられるので表示されている場合は確認しましょう。
※必ずしも該当する物が掲載されているとは限りませんので注意です。
チェックポイント
・ランプが点滅していたり、リモコンにエラーコードが表示されていないか
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】エラーコード検索を参考に、エラー内容を確認する
※見つからない場合もあります。
・【DIY可】エラー内容が確認出来たら異変が無いか確認する(室外機の障害物など)
・【DIY可】エラーをリセットする。
※もしエラーで止まってしまっている場合は、次の手順でリセットする。
■リセットのやり方
・電源が入っている場合はスイッチを切る
※スイッチを切ってもしばらく動いているので、全ての動きが止まるまで待つ
・エアコンのコンセントを抜く(エアコン内部の電気を放電させる)
・5分程度待つ(時間に余裕がある時は1時間などもっと長めに待った方が良い)
・コンセントを入れる
・エアコンのスイッチを入れる
効きが悪い原因その⑤:冷媒ガス漏れ
ここまでチェックしてもまだエアコンが効かない場合、次に疑わしいのは冷媒ガス漏れです。
エアコンの中には冷媒ガスというガスが入っています。
冷媒とは何か?なかなか聞きなじみのある言葉ではありませんが
冷媒は熱交換を必要とする機器(例: 冷蔵庫、エア・コンディショナー)で循環する物質である。
wikipediaより引用
となっています。
わかりやすく言うと、温度を運んで入れ替えてくれる物質です。
冷房の使用時は部屋の中の暖かい空気を外に運び出し外に捨て、冷たくなった空気を部屋の中に戻すという役割をしています。
ところが、このガスが流れるルートのどこかからガスが漏れだしてしまう事があります。
そうするとつまり温度を運んでいる物質が無くなってしまう事になるので、エアコンが効かなくなる原因となります。
チェックポイント
・エアコンから風は出てくるか
・エアコン使用時に室外機は動いているか
※もし動いていない場合、原因はガスではなく本体の故障の可能性もあります。
- 修理方法・対処方法
- ・エアコン修理業者に冷媒ガスの補充を依頼する
必ずガスが原因かはわからないので、まずは点検をしてもらう事になります。
ガス補充費用目安:3万円前後
・ガス漏れ箇所の対応が必要であればそれも
漏れ箇所の修理費用目安:1.5万円前後
※DIYでのガス補充について
手順をしっかり把握すれば、ガス補充自体は出来なくはありません(必要な道具やガス自体は一般でも入手可能)
ただし、下記の面からあまりおすすめではありません。
・1回の修理の為に4、5万円する工具を揃えなくてはいけない(その先使うかもわからない)
・ガスは通常10kgなどの容量で販売されており、ほぼ余ってしまう。
・冷媒ガスは低温なので、皮膚や顔などにかかると凍傷の危険がある
・手順を間違えるとエアコン破損や破裂などの事故の可能性がある。
・ガス漏れだと思ったら違う部分の故障だったら全て無駄になってしまう。
効きが悪い原因その⑥:冷媒回路の故障
ここからは、故障原因の特定は難しくなります。
こちらは冷媒回路の故障についてです。
冷媒ガスの項目でも解説しましたが、エアコンの中には冷媒ガスが循環しており、このガスが通るルートを冷媒回路と呼びます。
エアコンの中にある熱交換器の中にも冷媒回路は張り巡らされており、その中にはコンプレッサーという部品や、膨張/圧縮弁というガスの圧力を変化させてる部品もあります。
これらの部品が故障するとそれが原因でエアコンが効かなくなってしまいます。
故障の仕方としては冷媒回路に詰まりが起きたり、コンプレッサーや弁が正常に機能しなくなったりがあります。
チェックポイント
※正直見分けるのが難しいですが、あえて言うなら
・ガスも入っていて室外機も動く
という状況であれば可能性あり
- 修理方法・対処方法
- ・エアコン修理業者に冷媒回路の修理を依頼する
まずは点検をしてもらう事になります。
※交換部品の入手が必要な為、対応出来る業者は限られるの(メーカーなど)
修理費用目安:約8万円前後(ダイキン社)
買い替えも検討するレベルの費用がかかります
効きが悪い原因その⑦:サーミスタ(温度センサー)の故障
エアコンには「サーミスタ」という温度センサーが搭載されています。
現在の温度を読み取り、最適な温度に制御するのに利用されます。
このサーミスタが故障すると、その時点での温度が検知できなくなる為、温度の制御が上手くいかなくなり、エアコンが効かない原因となってしまいます。
チェックポイント
※冷媒回路と同じく見分けるのが難しい為
・ガスも入っていて室外機も動く
という状況であれば可能性あり
・もしくはエラーコードで表示される場合もあり
- 修理方法・対処方法
- ・エアコン修理業者にサーミスタの修理を依頼する
まずは点検をしてもらう事になります。
※交換部品の入手が必要な為、対応出来る業者は限られるの(メーカーなど)
修理費用目安:約2,3万円前後(ダイキン社)
効きが悪い原因その⑧:電子基板の故障
電子基板が壊れた場合もエアコンが効かなくなってしまいます。
エラーの項目でも解説しましたがエアコンは電子制御で動いているので、その頭脳である電子基板が壊れてしまうと、正常な制御が出来なくなってしまいます。
チェックポイント
※見分けるのが難しい為
・ガスも入っていて室外機も動く
という状況であれば可能性あり
・もしくはエラーコードで表示される場合もあり
- 修理方法・対処方法
- ・エアコン修理業者に電子基板の修理を依頼する
※まずは点検をしてもらう事になります。
※交換部品の入手が必要な為、対応出来る業者は限られるの(メーカーなど)
修理費用目安:約2,3万円前後(ダイキン社)
まとめ
以上、エアコンが効かない原因と対処法でした。いかかでしたでしょうか。
エアコンが冷えない、効かないと一口に言って原因は色々と考えられます。
エアコンが故障してしまうと、とにかく不快な日々を過ごさなくてはならないですよね。
一刻も早くなんとかしたい気持ちだと思いますので、本記事の内容が役に立てば幸いです。
紹介した自分で出来る項目からまずはチェックをしてみて、それでも直らない場合は、
修理費用の目安を参考に、修理業者に依頼をしてみてください。
修理業者に依頼する
修理業者への依頼方法については下記の記事にまとめていますので、こちらもご覧ください。
エアコンの取り付け工事を業者に依頼する
もうエアコンを買い替えようと思う場合はこちらの記事をご覧ください。