ドアの調子が悪くて、建付け調整をしたいけれど、やり方がわからなくてお悩みではありませんか?
よくあるトラブル
- ドアが重くなった
- ドアがぶつかる、当たる、こすっている
- 音がする
- すき間や傾きがある
実は、やり方さえ分かれば簡単に調整して調子を良くする事が出来ます。
この記事でわかる事は?
ドアの建付け調整を自分でやる方法がわかります。
※開き戸タイプの調整方法はコチラ↓
ほとんどがドライバーなどの基本的な工具で出来ますので、是非DIYでトライしてみてください。
予備知識、前提条件
建付け調整とは、ドア(建築用語だと建具と呼びます)がしっかり動いて、音が出たり、ぶつかったりしない様にする事です。
どの種類に対応する?
主に木製の室内ドアの引き戸タイプに対応します。
ただしドアがレールの上を動いているタイプが対象で、ふすまや障子などの敷居(木製の溝)の上をすべって移動するタイプは対象外となります。
なぜ調子が悪くなるか?
引き戸の調子が悪くなるのは主に下記のような原因です。
- 木材が収縮する事によってドアが反る
- 使っているうちに金物、金具の取り付けががゆるむ、こすれて消耗する、潤滑が悪くなる
引き戸の種類
引き戸にはいくつかの種類があります。
戸車タイプ
最初は戸車タイプです。上下に戸車と呼ばれる回転する車輪の様な部品がついており、それに合うレールの中を転がりドアをスライドします。
接触するすべての箇所が転がるので、動きがスムーズなメリットがあります。
ちなみに、戸車の車輪とレールには、その形状によって平型、丸型、Y型、V型などの種類があります。
敷居+戸車タイプ
こちらは上は敷居という溝にはまっているだけで、下が戸車になっているタイプです。
下は戸車でスライドしますが、上の部分は溝に接触しながらなので、滑りを良くしておかないと重くなったりします。
吊り車タイプ
次は吊り車タイプです。パット見は似ていますが、上に吊り車という車輪が付いていて、上の枠についたレールの中を車輪が走っています。
その為モノレールの様にドアは宙に浮いた状態で進みますが、それだけだとドアが宙ぶらりんでバタバタになってしまうので、床に振れ止めという部品があり、ドアの方には掘られた溝の中をスライドしてガイドとして機能します。
動きが滑らかだったり、戸車タイプと比べて、床のレールがゴミ詰まりで動きが悪くなったりしないメリットがあります。
部品の構造と調整方法
ここでは実際に部品の構造と調整方法を紹介していきます。
紹介しているのは方法は一例です、メーカーや部品の種類によって調整箇所は微妙に変わってくる事があります、試しに調整してみて、違っていたらまた最初に戻しましょう。
繰り返し試行錯誤して調整していきましょう。
戸車
これは、下についている戸車の例です。カバーを外すと中に調整ネジが見えます。
一番上の穴の奥にもネジがありますが、それは戸車とドアを固定しているネジなので触らない様にしましょう。
下の二つのネジで、上下、左右が調整出来る様になっています。(見にくいので赤字でなぞっています)
吊り車
吊り車も基本的には戸車と同じで、調整ネジがあるので、回すと上下左右と動きます。
左右は無く上下のみというタイプもあります。
対処方法(問題別)
ドアと枠の間にすき間が空いてしまう
極端な図ですが、この様にドアが傾いてしまい、扉と枠の間にすき間が空いてしまっています。
対処法
戸車の上下で調整で対処します。
扉の上が空いていて、下が当たっているという事は、
言い換えると、前の戸車が上がっていて、後の戸車が下がっているという事になります。
なので下記のいずれかで対処が出来ます。
- 前の戸車を下げる
- 後の戸車を上げる
- その両方をやる
図にするとこの様になります。この調整で大半は上手くいくはずです。
注意点
下げる方向の調整は、下げ過ぎるとドアが床にこする事があるので気を付けましょう。
上げる方向の調整は、上げ過ぎるとドアが上枠にこする事があるので気を付けましょう。
ドアが枠にこする
こちらは、ドアがこすれてしまうトラブルです。開け閉めでスライドすると枠などにぶつかってしまいドアが重かったり音が出てしまいます。
最初に!戸車がレールから外れていないか確認しましょう。外れている場合それが原因となります。
対処法
戸車の左右で調整で対処します。
ドアが枠にこすれる場合は、戸車の左右調整で反対側に調整してあげます。
注意点
ドアを動かす方向は、ぶつかっている場所(枠など)から離れる方向ですが、戸車を正面から見た場合の向きは前後で逆になります。
上の図の場合、前の戸車は右に回す。後の戸車は左に回す。
上にも戸車がある場合はそれも前後セットて調整しましょう。
鍵がかからない
こちらは引き戸に付いている鍵が掛からなくなってしまったトラブルです。
対象としては鎌錠と言って鍵のつまみを回すと、シュっと鎌状の物が飛び出すタイプです。
こちらの鍵ですが、しばらく使っていると鍵が掛からなくなる事があります。
この場合、ほとんどの場合ドア側から飛び出す鎌が枠側の部品と合っていない事が原因です。
対処法
戸車の上下左右を調節する。
鍵がかからないのは、回すと動く部品がぶつかって奥まで落ちない事が原因です。
上で紹介した戸車調整の応用で、ドア自体を上下左右に動かすと、鍵が落ち切るポイントがあるので、そこで合わせましょう。
補足
調整方法ではありませんが、レールの中にホコリやゴミが溜まっている事があります。
それが原因で調子が悪くなる事があるので汚れていたら掃除しましょう。
また、シリコンスプレーなどを使うと動きが軽くなる可能性があります。
レールの何カ所かに軽く付けてドアを前後させると戸車にシリコンスプレーがなじむので、滑りが良くなります。
使っても良いのは「シリコン系のスプレー」です。ありがちですが、「CRE-556」などは用途が違うので、逆に調子が悪くなるのでやめましょう。
まとめ
今回は引き戸タイプのドアの建付け調整方法を書きました。
今回の方法で調整が出来る様になれば、意外と簡単に出来る事がわかってしまうかもしれません。
これぐらいの作業でも業者に頼むとそれなりに費用がかかったりするので、自分で出来る様になると便利だと思います。
もしかしたら、今回の内容では調整出来ない場合もあるかもしれません。
その場合は、補足情報をお伝えするのでコメントやお問合せから教えて頂ければと思います。