この記事では、浴室乾燥機がいるか、いらないかの問題について解説をしていきます。
浴室乾燥機は、お風呂場の天井に設置した機械から温かい空気送って洗濯物を乾かす事ができます。雨の日や寒い日、夜間やアレルギー対策で外で干したくない場合に、部屋干しより早くカラッと乾燥させる事が出来る為、とても便利な家電です。
そんな浴室乾燥機がいるかいらないかを迷うタイミングとして、新築で住宅を購入時や、リフォームで浴室乾燥機を付けようか検討する時があります。
浴室乾燥機は便利ですが、当然それなりの費用がかかるので、それに見合ったメリットがちゃんとあるのか、どんなデメリットがあるのかが気になるポイントですよね。
最初にかかるお金やトータルの電気代など……
この記事では、それらメリット、デメリットについて忖度なしに解説をしていきますので、浴室乾燥機を付けるか迷っている方は是非参考にしてください。
浴室乾燥機をはじめ住宅設備の工事を行っている筆者が、リアルにお伝えします
浴室乾燥機はいる?いらない?
結論、しっかりメリットを活かせるのであれば取り付けをおすすめします。
その理由は、浴室自体のカビの抑制になったり、手軽に使えたりする浴室乾燥機にしかない便利さがある為です。
もし、取り付けた後に後悔をするとしたら、浴室乾燥機の特徴をしっかり理解していなかったか、イメージと違ったかになる思います。その様な事が無いように、この記事でしっかり事前に確認していきましょう。
?それでは、浴室乾燥機はいるか?についての判断材料について見ていきましょう。
浴室乾燥機にかかる初期費用
初めに、浴室乾燥機にかかる初期費用についてです。
浴室乾燥機には、設置するのに本体代に加え各種工事代金がかかります。
実際には業者や作業内容によって変わりますが、下記が目安です。
費用一覧
■浴室乾燥機本体:5万円~10万円前後
※機種や機能、メーカーやどこから購入するかによっても変わります。
※参考機種
■設置工事:約2万円
■ダクト、電気工事(必要な場合):約4万円
■合計費用:11万円~16万円
工事費を含めると大体、10万円前後の出費となります。
長い期間使用する事を考えると、そこまですごく高いというわけではありません。
浴室乾燥機のランニングコスト
浴室乾燥機にかかるコストは、買って終わりでは無く、使用するのにも電気代などのランニングコストもかかります。
電気代
最もわかりやすいのは電気代です。
使用すればするだけ、これはどの家電でも同じ事ですが、電気代がかかります。
電気代は下記の条件でおおよその金額を算出します。
費用一覧
- 24時間換気を使用
- 1日6時間暖房か乾燥を使用
※電気代は暖房や乾燥などの温風が出る機能の使用時間、気候、電気料金プランで左右されます。
※仮に暖房や乾燥機能は全く使わず換気のみであったら1,000円月程度
■電気代:約6,000円/月→72,000円/年
維持、メンテナンス費用
浴室乾燥機は使用していると調子が悪くなったり故障する事があります。
24時間換気機能も使用する場合年中休みなく動いているので、回転するモーターやファンの劣化や、内部への汚れが溜まります。
浴室乾燥機の標準使用期間である10年間で一度は維持、メンテナンス費用が発生すると予想されます。
費用一覧
■維持、メンテナンス費用:30,000円~60,000円
浴室乾燥機にかかるコストまとめ
これまで解説したコストを、10年間の使用を想定してまとめます。
■10年間の浴室乾燥機のコスト:212,000円~292,000円
※1年あたり約2万円~3万円
浴室乾燥機以外の手段
ここで一旦、浴室乾燥機を付けるか検討するときに、別の選択肢として候補になる物も紹介します。
ドラム式洗濯乾燥機
最初に紹介するのが、ドラム式洗濯乾燥機です。
まず真っ先に浴室乾燥機との比較になる家電と思われます。
ドラム式洗濯乾燥機の特徴は下記です。
- 設置工事が簡単
- 洗濯機と一緒にしてスペースが削減できる
- 1回に乾かせる量は浴室乾燥機とほぼ一緒
- 乾燥時間は2時間程度と浴室乾燥機の半分程度
- 消費電力は浴室乾燥機の約2倍
- お風呂を温めたり乾かしたりはできない
サンルーム(除湿器)
次に紹介するのが、サンルームという選択肢です。
※サンルームとは:戸建て住宅で庭先などに日差しを取り込めて密閉出来る部屋を作る事です。(ビニールハウスの様なイメージ)湿度を下げる為に除湿器をセットで使用します。
- サンルームの設置工事費がかかる(約40万円)
- 固定資産税の対象となる
- 天日干しなので自然な乾き
- 天候に左右される
- 冬場は暖房機器の併用が必要
- 設置スペースが必要(マンションは不可)
- 縁側、ウッドデッキ代わりに使用可能
- お風呂を温めたり乾かしたりはできない
浴室乾燥機以外の手段まとめ
以上、2つの他の選択肢を紹介しました。
それぞれのメリットとデメリットについては、後半で浴室乾燥機と比較していきます。
浴室乾燥機のメリット
それでは、浴室乾燥機のメリットについてです。
浴室乾燥機にはどういったメリットがあるでしょうか。
メリット一覧
- ハンガーのまま乾かせるので、シャツなどがシワになりにくい
- 浴室に埋め込みであれば設置スペースを取らない
- 雨や冬の時期など、外干しで乾きにくい時でも乾かせる
- 浴室も同時に乾燥出来るのでカビ予防にもなる(カビを抑制するプラズマクラスター等の機能もあり)
- 浴室暖房の機能もあるので、冬場のヒートショック対策にもなる
浴室乾燥機のデメリット
次に浴室乾燥機のデメリットについてです。
※他の選択肢と共通のものもあります。
デメリット一覧
- 設置工事費やメンテナンス費用がかかる
- 10年に1回程度は買い替えや高額修理の可能性がある
- 使用中は入浴が出来ない
- 電気代がかかる
- フィルターなどの手入れが欠かせない
浴室乾燥機vs他の手段の比較表
ここまで、浴室乾燥機のメリットとデメリットと他の手段について解説をしてきました。
下記に比較表を作成しましたので、一覧で比較してみましょう。
比較対象 | 浴室乾燥機 | ドラム式洗濯乾燥機 | サンルーム | 天日干し、部屋干し |
初期費用 | 約11~16万円 | 約15~20万円 | 約40万円 | 0円 |
1年間のランニングコスト | 約8万円 | 約8万円 | 約4万円 | 0円 |
耐用年数(寿命) | 約10年 | 約10年 | 約20年 | ー |
10年間のトータルコスト | 91万円~96万円 | 95万円~100万円 | 80万円(税金覗く) | 0円 |
いつでも使用出来るか | 入浴中は不可 | いつでも可能 | 夜間や冬は乾きにくい | 天候に左右 |
マンション設置 | 可能 | 可能 | 不可 | ー |
固定資産税 | 非対象 | 非対象 | ※庭設置は対象 | ー |
シワになりにくさ | なりにくい | なりやすい | なりにくい | なりにくい |
設置スペース | 浴室埋め込み | 広めの洗濯機スペース | 専用スペースが必要 | 不要 |
付加価値 | 浴室乾燥・暖房が可能 | 洗濯物を並べる必要がない | 縁側・ウッドデッキにもなる | なし |
工事の規模 | 専用工事が必要 | 簡易的 | 大がかりな工事 | 不要 |
時短 | なる | とてもなる | なる | ならない |
初期費用に関しては、サンルームはやはり新たな部屋を作る為、約40万円と大きな金額がかかってきます。浴室乾燥機が最も安く10万円台となっています。
各項目に関しては本当に一長一短ですが、最初に書いた結論の通り浴室乾燥機が最もメリットが多いと思います。
コスト面では、若干の差はありますが決定的な判断材料になる程の差は無さそうです。
それぞれ、他では無いメリット・デメリットがあるので、それをふまえて判断をしていくのが良いでしょう。
浴室乾燥機の独自メリット・デメリット
お風呂の暖房、乾燥機能にもなる
冬場のヒートショック対策やカビの抑制に活用する事が出来ます。
設置スペースをとらない
浴室の天井に埋め込むのでスペースを取りません。
ドラム式洗濯乾燥機の独自メリット・デメリット
洗濯から乾燥までを自動でやってくれる
放り込んでスイッチを入れるだけで乾燥までやってくれるのは、時短にはおすすめです。
シワになりやすい
メーカーはシワになりにくさをアピールしているものの、構造上どうしてもシャツなどの型崩れは起きてしまいます。
サンルームの独自メリット・デメリット
ランニングコストは安い
初期コストはかかるものの、電気代などはそこまでかからないので、日々の出費を抑えたい方にはおすすめです。
マンション設置不可
スペースが無いため基本的にはマンションに設置は厳しいでしょう。
大がかりな工事が必要
新築の場合はオプション工事、居住中であればリフォーム工事の部類になり、大がかりな工事が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。何も設置しない場合も含めてメリットとデメリットを比較してみました。
ちなみに何も設置しない場合も含めて検討している場合は、そもそもの大きなメリットである洗濯物を早く乾かすというメリットと、今回上げた約1万円/月のコストなどと比較して必要か?の検討をおすすめします。
浴室乾燥機と他の手段を迷っている場合は、比較条件で検討してみましょう。
浴室乾燥機はこんな人にはおすすめ
最後に、浴室乾燥機はこんな人におすすめ!というポイントを改めてお伝えします。
- お風呂の暖房も欲しい
- お風呂のカビを減らしたい
- 設置スペースを取りたくない
- ハンガーで乾かしたい