この記事では、エアコンから水漏れする時の原因と修理方法について解説をしています。
エアコンから水が漏れてきてしまってお困りでしょうか。
暑いからエアコンをつけたいけれど、つけていると水が垂れてくる状況はストレスですよね。
ベッドの上にエアコンあったりすると大変・・・
これから、原因と修理法、対処法について詳しくお伝えしていきます。DIYで自分で出来る事もあります。
エアコンから水が漏れる原因8選
そんな起きてほしくない水漏れですが、なぜ起きてしまうのでしょうか。
実は、原因はいくつか考えられます。
プロが見てもすぐにはわからなかったり、一筋縄ではいかない事もあります。
逆に簡単な原因であればDIYですぐに解消出来るものもあるので、その様な場合は自分でトライする事も可能となります
筆者はエアコン修理、取り付けを実際に行っている事業者です。これまで対応してきた水漏れ事例をもとになるべく詳細に解説しました。
エアコン水漏れの原因について
エアコンが水漏れをの原因として考えられるのは主に下記の8点です。
自分で修理や対処が出来る物に関しては【DIY可】としています。
水漏れ原因一覧
- 【DIY可】ドレンホースの詰まり
- 【DIY可】ドレンホースの設置状況
- 【DIY可】ドレンホースの逆勾配
- 【DIY可】エアコン内部の汚れ
- 断熱不良
- 冷媒ガス漏れ
- エアコン本体の破損
- 【DIY可】お部屋の気圧差・負圧
なぜエアコンから水漏れしてしまうのか?各項目で順番に解説していきますので、当てはまる項目をチェックしてみましょう。
エアコン水漏れに関する予備知識
初めに、エアコン水漏れについて知っておきたい予備知識について解説をしていきます。
どこから来る?水が発生するメカニズム
そもそも、エアコンから垂れてくる水はどこから来るのか?と疑問には思いませんか?
言われてみると確かに・・・水道なわけはないし・・
その答えはズバリ、お部屋の空気から来ています。「結露」という現象が水を発生させています。
冷たいコップに飲み物を入れると、コップに水滴がつく事がありますが、それと同じ原理です。
この「結露」がなぜ発生するか簡単に説明します。
空気には目には見えなくても水分が含まれています。湿度(しつど)何%というのは空気中の水分の量を表しています。
そして、その含められる量というのが、温度(おんど)で変化します。
- 温度(おんど)が高くなると含められる量が増え
- 温度(おんど)が低くなると含められる量が減る
となります。
つまり、コップの例で言うと、
- お部屋の空気が冷たいコップに触れる
- 冷やされた空気が水を保てなくなる
- 空気中から水が出る
- コップに水滴が着く
といった流れです。
要は冷やされると空気から水が出てくるんだね
エアコンに水が発生するのも全く同じ原理です。
エアコンで部屋を冷やしている時は、本体内部はかなりの低温になっているので、空気と触れることでたくさんの水が発生します。
それが、エアコンから水が出てくるメカニズムです。
【図解】エアコンの中で水はどこを流れている?
では、その発生した水は普段エアコンのどこを流れているのでしょうか?
図にすると下の様になっています。
水が発生するのは、お部屋の中なので、そこからホースを通ってお部屋の外に捨てています。お部屋の外に水が出ているのは見たことがある方も多いと思います。
このホースについては、下に図で説明をします。
図の右上の様に、エアコンのホースは結構な太さがあります。実はその中身はいくつかの種類のホースが束になっています。
※戸建て住宅は部屋の中にホースは見えないかもしれません。
断面の図で示していますが、
- ガス配管
- 電気配線
- ドレンホース
の計4本がまとまっているのがエアコンのホースです。
ガス配管はエアコンの中を流れる冷媒ガスを通す目的、電気配線は電気を流す目的ですが、
ドレンホースは、お部屋の外に水を捨てているホースです。
このドレンホースは、今回の水漏れトラブルとも関係が深いですので、これをふまえて水漏れの原因について解説していきます。
エアコン水漏れの原因・修理方法について
それでは、これからエアコンの水漏れの原因と修理方法について解説をしていきます。
その1.ドレンホースの詰まり
最初は、上で解説した水を捨てているドレンホースに詰まりが発生してしまったパターンです。
これが一番多い水漏れの原因です。
ドレンホースに詰まりがあるという事は、エアコン内で発生した水の行き場が無くなるので、あふれる様に水漏れします。
なぜ詰まるか?
ドレンホースが詰まるのは下記が考えられます。
- エアコンの中にあるホコリなどが水と一緒に流れて詰まる
- カビが発生して詰まる
- バイオフィルム(菌が繁殖してゼリー状に固まったもの)が詰まる
- 土、砂が外から入って詰まる
- 虫が侵入して詰まる
※詰まりの原因に関してはエアコンドレンホースはなぜ詰まるのか?原因とはの記事で詳しく解説しています。
また、詰まりの原因として意外にありえるのが、エアコンクリーニングの実施。
もともと詰まり気味だったエアコンに、クリーニングによって大量の汚水が流れ出す事でさらに詰まりを悪化させてしまう事があります。
もし業者さんにエアコンクリーニング依頼する際は、ドレンホースまでしっかり見てくれる事を確認しましょう。
チェックポイント
・水漏れの仕方:使い始めて30分ぐらいでエアコン本体の前面からポタポタ
・エアコン室外機の近くにあるドレンホースから水が出ているか
※出てきていないのに部屋の中から水漏れしていたら詰まり可能性大
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】専用のポンプを購入して詰まりを取る
・修理業者に水漏れ修理を依頼する
- ドレンつまり取りポンプ使用方法
- ①室外にあるドレンホースの先にポンプを接続
②熱交換器(フィルターの奥にある金属部分)に水をかけて中を水で満たす
※ペットボトル等でも良いですが、写真の様な容器が楽です。
③ボトル半分(250ml)ぐらい水を流し込む
④ドレンホースに繋いだポンプを思い切り引く
⑤水と一緒に汚れの塊が出てくる
⑥②~④を数回繰り返す
⑦ポンプを外してその状態でまた水を流し込む
⑧ドレンホースからスムーズに水が流れてきたらOK
また、隠蔽配管というホースをなるべく見えない様にしている取り付け方法の場合、ドレンホース出口が塩ビパイプになっている場合があります。
そうすると、ポンプの口が合わなかったり、地面とのスペースがなかったりしてポンプを使用することが出来ません。
この場合は間に不要なドレンホースを短く切って、ビニールテープなどで巻いて接続して使用します。
とはいえ、不要なドレンホースなど無いと思うので、接続できそうなら他のホースでも構いません。
その2.ドレンホースの設置状況
次はドレンホースが地面などに密着して詰まってしまうパターンです。
上の図の様に地面に密着していたり、水たまりになる部分に着いていると水の流れが悪くなって、
これもまた水漏れの原因となります。
チェックポイント
・水漏れの仕方:使い始めて30分ぐらいでエアコン本体の前面からポタポタ
・ドレンホースの出口が地面などに密着していないか(少し浮いていれば問題なし)
・ドレンホースの出口のある場所は雨が降ったら水たまりにならないか
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】ドレンホースを数センチ短くする(ハサミでカット)
・修理業者に修理を依頼する
その3.ドレンホースの逆勾配
ドレンホースを流れる水は重力の力で流れていきます。
なので通常ドレンホースは上から下に下り坂になる様に設置します。
ただし、それが何らかの理由で途中で上り坂になってしまうと、重力に逆らう事になり流れが悪くなります。
流れが悪いとホコリや汚れがたまりやすいという問題もあります
チェックポイント
・水漏れの仕方:使い始めて30分ぐらいでエアコン本体の前面からポタポタ
・ドレンホースのルートが確認出来る場合、上っている箇所はないか確認する
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】自分で出来そうな場合はホースを下向きに直す
・修理業者に修理を依頼する
おすすめ修理業者と依頼方法
その4.エアコン内部の汚れ
エアコンの内部、フィルターの奥の部分に熱交換器という冷たくなったり熱くなる部分があります。
結露の水はここに発生しますが、ここが汚れていると水がスムーズに流れなくなり水漏れします。
チェックポイント
・水漏れの仕方:風と一緒に水が飛んでくる
・ドレンホースのルートが確認出来る場合、上っている箇所はないか確認する
- 修理方法・対処方法
- ・【DIY可】自分でエアコンのクリーニングをする
・修理業者にエアコンクリーニングを依頼する
おすすめ洗浄スプレー
自分でスプレーを使ってDIYするのであれば下記がおすすめです。
通常の市販品と違い業務用となっていて長いノズルが付いている特徴があります。
その5.断熱不良
エアコンが冷たい空気を出すとき、エアコンのホースの中にも冷たいガスが流れています。
なのでそのままむき出しだとそこにも結露で水が発生してしまいます。
その為、通常はそれを防ぐ為にエアコンのホースはスポンジの様な断熱材という物にくるまれています。
ですが、その断熱材は工事で不備があったりして足りなくなってむき出しの部分が出来てしまうと結露して水漏れが起きます。
チェックポイント
・水漏れの仕方:本体の後ろ(壁の方)からポタポタ
- 修理方法・対処方法
・修理業者に修理を依頼する
その6.冷媒ガス不足
エアコンの中に入ってるガスが不足していると、それが原因で水漏れを引き起こす事があります。
熱交換器という部分がエアコンのガスが不足すると温度にムラが出来てしまい、水の流れがスムーズにならなくなってしまいます。
変な所で水が発生してしまうイメージです
チェックポイント
・水漏れの仕方:風と一緒に飛んでくる
・エアコンの効きが悪くないか?
- 修理方法・対処方法
・修理業者に修理を依頼する
※効きが悪い場合はエアコンが故障?冷えない、効かない原因8選と修理方法の記事もご覧ください。
その7.エアコン本体の破損
かなりレアなケースですが、室内機の中には一時的に水の受け皿となるドレンパンという部品があり、そこが割れる事があります。
割れる原因も様々です。
- 取付時に力を入れて割れた
- クリーニング時の分解、組み立てで割れた
- クリーニングで使用した薬剤で劣化した
- 経年で劣化した
- 製品の不具合
チェックポイント
・水漏れの仕方:本体の下の方からポタポタ
- 修理方法・対処方法
・修理業者に修理を依頼する
※修理が出来ない事もあり、その場合は本体ごと買い替えとなります。
その8.お部屋の気圧差・負圧
とてもレアなケースですが、お部屋の気圧差で水漏れする事があります。
- お部屋の気密性が高い
- 隠蔽配管で室内側に逆流防止弁が設置
- 換気扇を回す
という条件が重なるとこれが発生します。
レアなケースなので詳しくは解説しませんが、キッチンの換気扇を回しても空気が吸うと所が無く、ドレンホースから吸い込んでしまい、水が逆流するイメージです。
チェックポイント
・水漏れの仕方:本体の前からポタポタ
・水漏れしている時に換気扇を動かしていないか
・換気扇を動かしている時に窓や玄関を開けると一気に風が吹き込まないか
- 修理方法・対処方法
・【DIY可】換気扇の影響が確認出来たら、使わないか窓など空気の取り込みを確保する
・修理業者に修理を依頼する
まとめ
以上、エアコンから水漏れする原因と対処法でした。いかがでしたでしょうか。
ご覧の様に水漏れ原因は結構多岐に渡ります。
自分で出来る修理方法も紹介しましたので、まずはそれをチェックしてみて、直らない場合は修理費用の目安を参考に、修理業者に依頼をしましょう。
修理業者に依頼する
修理業者への依頼方法については下記の記事にまとめていますので、こちらもご覧ください。
エアコンの取り付け工事を業者に依頼する
もうエアコンを買い替えようと思う場合はこちらの記事をご覧ください。
エアコンクリーニング業者に依頼をする
内部の汚れなどが原因で水漏れしている場合はエアコンクリーニングがおすすめです。
エアコントラブル全般まとめ記事
エアコントラブルに関してはこちらの記事もおすすめです。